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【私的音楽評】 No,242 ニシセレクト 66
1970年代、あのNHKで
『ヤングミュージックショー』という救いようのないタイトルだが
音楽好きにはたまらない番組があった。
内容は洋楽ロックミュージシャンのライブで、
いまならフツーの事だが、70年代当時では
この番組だけが“動く”ロックミュージシャンを僕らに届けてくれた。
放送は土曜日の午後4時から。
洋楽ファンの少年少女は学校から走って家に帰るのだった。
私は中学二年の時(1972年)に、この番組でCreamを観ている。
手品師のようなジャック・ブルースのベースの指の動き、
やたら手数の多いジンジャー・ベイカーのドラムス、
まるで歌うかの如くギターを弾くエリック・クラプトン。
たぶん1968年のアルバートホールでの解散ライブ映像で、
その大観衆と、異様な薄暗さを今でも鮮明に憶えている。
正直に言えば、Creamが何たるかは一切分かってないのだが、
ただただ“未知の音楽”に触れることが嬉しかった。
その頃の一般的な大人たちはCreamどころかRockなんて知らない。
大人たちはビートルズを知っていたとしても
Rockとかファッションも含めて若者文化への理解は皆無だったと思う。
中学二年生なんて「あそこに毛が生えた」で一喜一憂しているガキだ。
そんなガキでも、
大人たちの知らない不思議な未知の文化に興味があった。
そこには、世間の常識では、認められないこと。
教育的な立場からは、止めるべきこと。
教科書には書いていない“余計な事”があった。
クラプトンのギターフレーズはビバルディよりイカしていたし、
ベイカーのひげ面は七三分けの総理大臣よりかっこよく思えた。
定職を持って社会はその人間を大人とみなし、
大人たちは国のため、家庭のために働いた。
社会にとってマーケット(市場)は大人たちに向けてのものだった。
70年代は60年代からはじまった若者文化(サブカルチャー)のが台頭し、
ひとつの大きなマーケットをつくりはじめた時代だ。
その世界の大きなうねりを中学二年のガキにリアルに届けてくれたのは
Rock Musicだった。
ありがとうNHK、ありがとうCream そしてThank youジャック・ブルース。
Cream/SUNSHINE OF YOUR LOVE(1968年)
https://www.youtube.com/watch?v=pwDo0JUeKqM