私的音楽評No.211 ニシセレクト56

私的音楽評No.211 ニシセレクト56

 

♪ドはドーナツのド、レはレモンのレ♪
信号待ちのふたりのかわいらしい女の子が歌っていた。
幼い頃にこの歌でドレミファソラシドをおぼえた思い出があるよ。
なつかしい。

 

歌には「おぼえてもらう」機能があると思う。
数え歌なんてのもそうだし、九九の歌とかABCsongもおぼえ歌だ。
さらに言えば、
あちらこちらにある「我らが王様は立派なお方」的な歌も
よくもわるくも王様の偉業をおぼえてもらう歌だ。

 

鼻歌のように聞き手に寄り添いながらも、
具体的な何かを「おぼえてもらう」歌の機能。
そう考えると、その機能を最大限に活かしているのは
コマーシャルソングだろうな。
♪キンカン塗ってまた塗って〜♪とか
♪セキス〜イハウス〜♪なんてのは記憶にすり込まれている。
ところが最近では、耳に残っているのは、うーん、
♪ウイスキーがお好きでしょ〜♪くらいかな?

 

何かをきちんと「おぼえてもらう」ためのコマソンが減って
イメージソングが増えたのは、映像の時代だからなんだろう。
それはそれで楽しいコトもある。
ただ、「おぼえてもらう」歌の機能を活かせる、
制約の中で創造力を発揮する職人ソングライターが減ったとも感じる。
と、55才のオジサンは少々落胆していたのだが…近年名曲があった!

 

私は犬になりたい490/さだまさし

 

ソフトバンクのホワイト割引が490円、そのコマーシャルソング。
たしかタイトルに惹かれて飛行機内のチャンネルではじめて聴いたと思う。
別名“味噌汁の歌”。
とにかく490円をおぼえてしまう作り手さだまさしの技に脱帽。
予想を裏切る歌詞の展開が秀逸。ついつい聴き入ってしまう5分59秒です。
制約の中の職人技をぜひお聞きあれ。

 

そう言えば、さださんの年齢はラジオ世代だよね。
映像に頼らない歌の凄さを知っている世代だ。

 

私的音楽評No.207

 

 http://www.youtube.com/watch?v=tGbclQY65kI
私は犬になりたい490(2009年)/さだまさし

 


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