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24歳のころ、どうすればプロのミュージシャンになれるという具体的な方法が分からなかった。
「ライブハウスでスカウトされる」「デモテープをレコード会社に送る」
「コンテストでグランプリを獲る」
どれも雲を掴むようなはなしだが、いつチャンスが来るか分からない。
自分の実力をアップさせるために、メトロノームでギター練習をするだけではとても無理だ。
「いろんな音楽を聴く、ライブを見にいく、プロの演奏を聴く&話を聞く」
とにかく、感性を磨かないと・・・
ある日当時のバンド仲間のボイトレの先生のライブがあると聞き、
都内のジャズバーに行った。
バイト生活の身分にはとても高額だが、これも感性を磨くためには必要だ。
5mもない距離で聴いたその歌声は本当に素晴らしく、本当のプロの表現力に圧倒された。
ステージの合間には「プロになるには」をひたすら質問し、高いお金を払ったかいがあったと喜んでいた。
ふとステージを見ると飛び入り的な形でピアノに座っている人がいた。
なるほど、ジャズバーは自由に演奏出来るな大人な空間なんだろう。
演奏が始まると、自分は身動き取れないほどの衝撃を受けた。
「ピアノが演奏されていることを喜んでるみたいだ・・・・」
そう直感で感じるほど、楽しげな音が聞こえてきたのだ。
目も耳もピアノから離すことが出来ない。
「素晴らしいミュージシャンは、楽器に命を吹き込む事が出来るんだ。」
感動と共にそれが全く出来ない自分の情けなさも痛感した。
後でその方の聞いたら、なんとあの「佐山雅弘」さんだった。
当時は恥ずかしながら知らなかったのだが、PONTA BOXでピアノを弾いている
あの佐山さんと知った時、ただであの素晴らしいピアノを聴けた幸運を喜んだ夜だった。
▼You Tubeでチェック
http://www.youtube.com/watch?v=gqb3dxOSLrk