人を、街を、音楽でつなぐ市民団体 NPO法人ARCSHIP 【私的音楽評】NO.198 ニシセレクト53

【私的音楽評】NO.198 ニシセレクト53

【私的音楽評】NO.198 ニシセレクト53

 

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高校野球のフアンではないのだが、
あの吹奏楽の響きが耳に入ると、ふとテレビを見入ってしまう。
吹奏楽部員の練習って凄いんだ。俺は知っているぜ。

 

吹奏楽部

 

俺の母校は体育会系部活で名をはせた高校だった。
校内で体育会部員は幅をきかせていて、
「スポーツしないヤツはヘタレ」そんな感じだった。
ただ吹奏楽部だけは別格だった。

 

体育会系はどの部も朝練、居残り練習は当たり前なのだが、
吹奏楽部はそれ以上だった。
授業の間の休み時間や電車の待ち時間にも練習していた。
「あいつら風呂場でも練習しとるで、きっと」
俺たちバレー部員も敬意を込めて冗談話をしていた。

 

 

 

吹奏楽の個人練習は地味だ。
マウスピースで「プー・プー・プー」
メトロノームに合わせて「タン・タン・タン」
その音は364日間、放課後や休日も校内各所で聞こえた。
基礎の反復練習はスポーツと同じなので
彼らの膨大な練習量は体育会系にも通じて尊敬に値した。
毎年夏休みの終わり頃、吹奏楽部の夏の総括がおこなわれる。
部活連中しか知らない夏の風物詩。

 

パート毎に分かれて、炎天下先輩の前で練習の成果を披露する。
「やり直し!」「どアホか!」「お前クビ!」上級生の怒声が響き、
女子部員は泣きながらトランペットを吹き続けていた。
華奢な手元にはベルトに血がにじんだシンバルがあった。

 

 

 

その吹奏楽部が県大会で優勝した。
それなのに教師も一般生徒は無関心だったので、
バレーボール部、バスケ部、体操部が話し合い、
体育館を吹奏楽部に譲り、放課後「凱旋コンサート」を催した。
集まったのは練習着姿の運動部の連中ばかり。

 

汗臭い体育館でドヴォルザーク新世界がはじまって、
あの日泣いていた女子部員のトランペットが響いた。
柔道部の猛者が叫んだ「さすがや!チャンピオン!」
そこにいただれもが彼らの地道な練習の姿を知っていた。

 

 

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さて今回紹介する動画は大阪桐蔭高校吹奏楽部です。

スケールが違います。総勢180名の大迫力ですぞ。

 
http://www.youtube.com/watch?v=kEnke-PR7Iw&list=TLsfFoLFC6TSE

 

 

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