人を、街を、音楽でつなぐ市民団体 NPO法人ARCSHIP 【私的音楽評】No.207 ニシセレクト55

【私的音楽評】No.207 ニシセレクト55

突然だよ、まったく…。Sの野郎、余計なことしやがって。
リンク先をクリックしたら、君の写真が画面に出たよ。

 

25年振りに見る君の姿、君の顔。….うん、変わらないね。
シワが増えた?髪にツヤがなくなった?
なーに気にするなって。お互い50才をとっくに過ぎてんだ。
俺なんかゴマ塩頭で、下っ腹が突き出ているよ。
うん、君は変わらない。相変わらずいい女だ。

 

たしか君の旦那は6つ年下だったよな。娘はもう成人したろうな。
まだ富士山が間近に見える地で暮らしているのだろうか。
気丈で料理上手の横浜のお母さんはご健在かな?
「娘を幸せに出来る自信はあるのか!」
俺を睨みつけたお父さんもご健在だろうか。
ウチ?お袋は83才で元気だ。親父は今年の9月に逝っちまった。

 

俺の20代は君との時間だった。ずっと惹かれっぱなしだった。
ヒマワリのような君は「のん気、陽気、元気」が口癖で、
逆に俺は陰気でうじうじした男だったな。
「なーに黄昏てんの?そんな顔ダメダメ、あはは」
弾ける声とたれ目の笑顔は、俺の宝物だった。

 

君との時間は永遠に続くと思っていたけれど
ある日猫みたいに俺から離れていった。
ヒマワリを失った俺は狼狽えた。でも気付いた。
俺がヒマワリになればいい、そう気付いたんだ。
あれから俺は変わった。君のおかげだ。
25年前の最後のあの日、
君の家の近くの駐車場で、助手席の君は声を出して泣いていたね。
俺はカーラジオのFENを目を閉じて聴いていた。
月並みな言い方だけど、まるで昨日のようだ。

 

この写真は消去するよ。元気で生きていればそれでいいんだ。
濃密で素晴らしいあの7年間をありがとう。
言葉に出来ないくらい、いまでも感謝している。
じゃあね、バイバイ。

 

まったく、Sの野郎。余計なことしやがって。

 

音楽評_スローバラード

スローバラード(アルバム:シングル・マン/1976年)/RCサクセション
“http://www.youtube.com/watch?v=TUVD5bUE5T4”

 


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