人を、街を、音楽でつなぐ市民団体 NPO法人ARCSHIP 【私的音楽評】 No.180ニシセレクト48

【私的音楽評】 No.180ニシセレクト48

お見合い写真



むかし“結婚のための”お見合いをしたことがある。

親戚の叔母ちゃんがお見合い写真を送ってきてというよくあるパターンだった。

お見合い相手の悪口を言う気はないのだが、

気立ても良くて美人なのに

「まいったなあ」と感じてしまう女性が何人かいた。

何かに夢中になった経験がない人が僕は苦手だった。

日々の楽しみとか喜びが会話の中に見えない人が僕は苦手だった。

これは好みの問題。相手の女性が悪いのではない。

ただ、「それって何かの役に立つのですか?」と

返されてしまうとね。

 

一方で「この人いいなあ」と感じる女性もいた。

彼女はコーヒーカップの紙のコースターを取り上げて

「たぶん杉の皮を使っています、これ」と言った。

聞けば高校時代に書道部だったこともあり、

和紙が好きで、紙すきもしているとのこと。

「木の皮を使うと色も濃くて水をはじくんです」

「あっ表裏の手触りが違う!コレすごいすごい!」

コースターを手に取り目を輝かす彼女は素敵だった。

ふつうお見合いの席では、

仕事や両親のこと、子どもが好き嫌いの話題で終始するが、

その日、彼女は和紙そして和洋の色合いについて熱く語り、

お返しに僕はロックンロールと忌野清志郎の話しをした。

おかげで僕は和紙に興味を持ち

一週間後に榛原の便箋(ブランド品)を伊東屋で購入した。

彼女は地元福岡でRCサクセションのラプソディを買った。

 

和紙について、ロックンロールについて、

たとえばボールペンについてでも、

凝っても詳しくなっても資格をいただけるわけではない。

つまり“効率的な人生プラン”においては無駄かもしれない。

でもその無駄が人間の面白みをつくるのではないだろうか。

 

杉原徹_ゴロワーズ

 

 

♪そうさ何かに凝らなくてはだめだ

♪狂ったように凝れば凝るほど

♪君は一人の人間として、幸せな道を歩いているだろう

さすがムッシュかまやつ。お洒落で粋な歌を40年前に書いている。

『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』

今回は杉原徹さんのアコースティックバージョンで聴いていただきたい。

 

 

 

 

 

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